製造施設等変更明細書

ア.変更の目的

現製造設備の機器分析センター棟移転に伴い、液化ヘリウムの製造環境とヘリウムガス回収設備を充実させることを目的とします。それらの装置は、東京大学物性研究所からヘリウム液化装置、ヘリウムガス乾燥機、回収用圧縮機、長尺畜圧器(12本組の長尺カードルとする)を移設、更に油水分離器、純ヘリウムガスマニホルドを新設し、各装置間を新規に現地配管で接続します。移設される装置は、全て高圧ガス設備(複合機器)合格品(ヘリウム液化装置、回収用圧縮機)又は、特定設備合格品(ヘリウムガス乾燥機本体、長尺畜圧器)を設置します。

前回、承認をうけた12環多管一第1505号の液化窒素製造施設(CE)から液取り(液化窒素)をバルブL6よりヘリウム液化装置予冷用と供給用のLN2真空断熱配管と接続、ガス取り(窒素ガス)をバルブS13よりヘリウムガス乾燥機再生用とガス供給用の配管と接続します。

平成11年度に東京都で保安検査を受けた設備を移設します。なお、保安検査証は"6.(4)"に添付してあります。また、現在、各装置は微圧を残し、出入口のバルブを閉めた状態であり、外部より空気等の進入は、ありません。

イ.変更の内容

ヘリウム液化機(移設)

1基

ヘリウムガス乾燥機(移設)

1基

回収圧縮機(移設)

1基

長尺カードル12本組(本体移設/配管等新設)

1基

油水分離器(新設/本体は特定設備)

1基

Heガス供給マニホルド(新設)

1基

現地配管(新設)

1式

   

ウ.製造設備の処理能力

単位:m3/日 

設備名

ガス名

既設処理能力

増加処理能力

減少処理能力

変更後処理能力

液化設備

ヘリウム

6,528.5

0.0

6,528.5

0.0

液化設備

(内部精製器)

液化空気

0.0

71.9

0.0

71.9

回収設備

ヘリウム

565.0

3,652.9

565.0

3,652.9

CE設備

液化窒素

116.9

0.0

27.0

89.9

HIP設備

Ar又はN2又はAr+≦20%02の混合がス

21.3

0.0

0.0

21.3

7,231.7

3,724.8

7,120.5

3,836.0

エ.製造設備の処理能力計算書

(1)移設ヘリウム液化機(内部精製器:SUMP)

 l-2.jpg

重量・容積換算比(空気)0.88 (kg/L)   液化率 4.4(L/H)
それを単位変換すると       4.4 × 0.88 = 3.87 (kg/H)
公称能力             3.87(kg/H)
分子量 28.96

  l-4.jpg

  = 71.9 (Nm3/日)

(2)移設回収用圧縮機
Q = V × N × R × 10 P ×( 273.15 / T )× 60 × 24 × 10-6

Q:処理量   (Nm3/日)

R:回転数 (rpm)

1095(rpm)

V:シリンダー内容積(m3) 0.00123(m3)

P:吸入圧力(MPa)

0.1013(MPa)

N:気筒数           2(基)

T:常用温度(K)

293.15(K)

l-6.jpg
= 3,652.9 (Nm3/日)

オ.貯蔵聴力計算書

 (1)ヘリウム回収長尺カードル

W =(10 P 十1)× V
   W:貯蔵能力(Nm3)
   P:最高充てん圧力 (MPa) 14.7(MPa)
   V:貯槽の内容積 (m3)    0.5(m3)
 =(10 ×14.7+1)× 0.5
 = 74.0(m3)(1本分)
長尺容器本数:12 本
 = 74.0 × 12
 = 888.0 (m3)

 (2)ヘリウムガス供給マニホルド

W=(10 P+1)× V
   W:貯蔵能力(Nm3)
   P:最高充てん圧力(MPa)
   V:貯槽の内容積 (m3)
 =(10 ×14.7+1)×0.047
 = 6.95(m3)(1本分)
容器本数:5 本
 = 6.95 × 5
 = 34.8 (m3)

(3)既設液化窒素貯槽

 7,063(kg)= 706.3 (m3)

貯蔵能力総合計:1,629.1 (m3)

カ.保安物件に対する設備距離


処理能力

第一種設備距離

第二種設備距離

3,836.0(第一種ガス)(Nm3/日)

7.6 m 

5.1 m 


◎処理能力に対する距離


X:処理能力(Nm3/日)
L3:法規上の第一種設備距離(その他のガス)
L4:法規上の第二種設備距離(その他のガス)

キ.完成検査予定

  2000年9月

一般高圧ガス保安規則第6条の技術上の基準に対応する事項(該当項目のみ記載)

第6条第1項製造設備の位置、構造及び設備の技術上の基準


条 項

項  目

対    応    状    況

図 面 等

1号

境界線

警戒標

事業所の境界線を明示します。

1.警戒票は外部から明療に識別できる大きさで事業所の各出入口付近に掲げます。

2.製造施設周辺に警戒票を掲げます。

別添図(1)事業所全体平面図製造施設配置図

2号

設備距離

製造設備は、処理設備の外面から、第一種、第二種設備距離以上の距離を確保します

11号

高圧ガス設備の耐圧試験

高圧ガス設備は常用の圧力の1.5倍以上の圧力で行う耐圧試験又は通商産業大臣がこれと同等以上のものと認める試験に合格するものとします。

12号

高圧ガス設備の気密試験

高圧ガス設備は常用圧力以上の圧力で行う気密試験に合格する構造にします。

13号

高圧ガス設備の肉厚

高圧ガス設備は常用圧力の2倍以上の圧力で降伏を起こさない肉厚で設計します。

14号

材質規制

ガス設備に使用する材料は、ガスの種類、性状、温度及び圧力等に応じて適切なものを使用し、告示で定めるもの以外は使用しません。

15号

基 礎

高圧ガス設備の基確は、不同沈下等による該当設備に有害なひずみを生じないものであり、貯蔵能力が100m3又は1トン以上の貯槽の支柱は同一基礎に緊結する。(変更なし)



条 項

項 目

対    応    状    況

図 面 等

16号

沈下測定

貯蔵能力が100m3又は1トン以上の貯槽は、製造細目第10条の定めにより沈下状況を測定し、沈下している場合はその軽度に応じ適切な措置を講ずる。(変更なし)

17号

耐震設計

塔(当該設備の最高位の正接線から最低位の正接線までの長さ5m以上)、貯槽(貯蔵能力300m3又は3トン以上のものに限る)及び配管(告示で定めるもの)並びにこれらの支持構造物及び基礎は、公示で定めらる耐震設計の基準により、地震の影響に対して安全な構造物とする。  (変更なし)

18号

温度計

高圧ガス設備には製造細目告示第6条に定めるところにより温度計を設け、設備内の温度が常用温度を超えた場合、直ちに常用の温度範囲内に戻すことができる措置を講ずる。

19号

圧力計

安全装置

高圧ガス設備には製造細目告示第7条に定めるところにより圧力計を設け、設備内の圧力が許容圧力を超えた揚合、直ちに許容圧力以下に戻すことができる安全装置を設ける。

フローシート吹出量計算書を参照

22号

液面計

液化ガスの貯槽には液面計を設ける。(原則として丸形ガラス管液面計は禁止)

30号

その他の障壁

圧縮機と10MPa以上の圧縮ガスを容器に充てんする場合又は容器置場との間には、厚さ12cm以上の障壁を設ける。(変更なし)

40号

通報設備

事業所内で緊急時に必要な連絡を速やかに行うことができる通報設備を設ける。(変更なし)

41号

バルブ等の操作に係る適切な措置

製造設備に設けたバルブ等には次にあげる基準により作業員がバルブ等を適切に操作することができる措置を講ずる。

イ(開閉方向、状態表示)

バルブ等には、当該バルブ等の開閉方向を明示する。

バルブ等には、当該バルブ等の開閉状態を明示する。

ロ(流体の種類方向の表示)

配管には、流体の種類及び方向を明示する。

ハ(施錠、封印の措置)

保安上重天な影響を与えるバルブのうち通常使用しないものには(緊急用を除く)、封印、施錠等の措置を講ずる。

ニ(足場と照明)

バルブ操作には必要な足場及び照度を確保する(変更なし)

42号

容器置湯等の基準

容器置場等には、次に揚げる基準に適合するようにする。

イ(明示警戒標明示)

容器置場等を明示し、外部から見やすいように警戒標を表示する。

第6条第2項 製造の方法の技術上の基準

条項

項 目

内        容

備 考

1号

製造の基準

高圧ガス製造は、発生、分離、精製、反応、混合、加圧、減圧において、次に揚げる基準により本状支障のない状態で行う。

イ(安全弁等の元弁)

安全弁又は逃し弁に付帯して設けた止め弁は常に全開にしておく、但し安全弁、逃し弁の修理等の場合は除く。(変更なし)

2号

充てんの基準

高圧ガスの製造は、その充てんにおいて、次に揚げる基準により保安上支障のない状態で行う。

イ(貯槽の充てん)

貯槽に液化ガスを充填するときは、液化ガスの容量が当該貯槽の常用の温度においてその内容積の90%を超えない。(変更なし)

4号

設備点検

設備の日常点検を実施し、記録に残す。異常のあるときは、設備の補修、その他危険を防止する措置を講ずる。(変更なし)

(1)使用開始時    (2)使用終了時

(3)その他1日に1回以上設備の態様に応じて頻繁に行う。(4)24時間連続運転を行う場合は時間毎に1回以上頻繁に行う。

5号

修理・清掃

ガス設備の修理又は清掃及びその後の製造は、次に揚げる基準により保安上支障のない状態で行う。(変更なし)

イ(作業計画責任者)

修理等をするときは、あらかじめ修理などの作業計画及び作業の責任者を定め、修理等は作業計画に従い、かつ責任者の監視の下に行うこと又は異常があったときはに直ちにその旨を当該責任者に通報するための措置を講ずる。(イ)ロの規定による置換に使用されたガス又は液体を空気で再置換する。

ニ(仕切板の挿入等)

 

ガス設備を開放して修理をするときは、当該するガス設備のうち開放する部分に他の部分からのガスが漏洩することのないよう当該開放部分の前後バルブ又はコックを閉止しかつ、仕切板を施す等そちを講ずる。

ホ(施錠等)

ニの規定により閉止されたバルブもしくはコックまたは仕切板には、操作してはならない旨の表示及び施錠をする等の措置を請ずる。

ヘ(作業確認)

修理が終了したときは、当該が素設備が正常に作動することを確認した後でなければ製造しない。

6号

バルブの操作

製造設備に設けられたバルブの操作は、バルブの材質構造及び状態を勘案して過大な力を加えないこと。バルブの操作は、原則として手で開閉する。また、バンドルを廻しを使用する場合は、バルブにあったものを使用し、バルブに異常トルクを加えないようにする。



条 項

項  目

内        容

備  考

8号

容器置場等の基準

容器置場及び充てん容器等は、次に揚げる基準に適合するようにする。

イ(容器区分)

充てん容器及び残が素容器を区分して容器置き場に置く。

置場の区分表示をする。

ハ(持込制限)

計器類等作業に必要な物以外の物を置かない。

ホ(温度上昇防止)

充てん容器等は、常に温度40℃以下に保つ。

ヘ(転落・転倒防止)

充てん容器等には、転落・転倒等による衝撃及びバルブの損傷を防止する措置を講じ、粗暴な取扱いをしない。