ヘリウムガスの回収

低温室から液体ヘリウムの供給を受けた利用者はヘリウムガスの回収の義務を負います。回収ガス量は研究室ごとにまとめて管理されます。回収したガスを利用して再液化を行いますので回収率が直接供給価格に反映します。回収率を上げるよう努力してください。ガス洩れを早く見つけるために毎日定時にメータの値を読み取り蒸発ガスに見合った値を示していることを確認してください。

回収配管による回収

東地区の回収配管は独立の2系統があります。東6号館及びSVBL棟の系統と、東1号館及びヘリウム液化室内の回収配管の系統です。西地区の回収配管は平成16年5月22日より使用開始しました。マニホルドの使用開始は平成16年9月からで、現在バルーン回収は休止しています。

いずれの系統も加圧回収(約10ミリメートルオイル柱)ですから、どこか1カ所でもバルブが開放になっているとそこから全てのヘリウムガスが流出してしまいます。漏れを防止するため回収配管への接続には逆止弁をつけることが義務づけられています。また回収量調査のためにガスメーターを取り付けることにしています。標準的な利用者にはガスメータ(5m3/h)と逆止弁とが一体になったものを低温室が提供しています。ポンプなどを用いて回収する場合空気を吸い込む可能性がありますのでこの利用者には簡易純度計を購入してもらっています(部品は低温室から講座振替で入手できます、配線図をもとに組み立ててもらいます)
平成17年から簡易純度計部品は低温室から貸し出します。組立は各研究室で行ってください。(センサーは購入してください、低温室に少量の蓄えが有ります)

 

液体ヘリウムの回収量調査

東6号館へ移転後のヘリウム回収調査の結果をここに示します。

9月7日に行いました調査の回収率は87.9%でした。この調査は昨年9月1日からの集計ですが 今年の2月8日から3月31日迄の更新工事期間をのぞいた値です。 液体ヘリウムの購入価格は今年も大幅に値上げされました。 低温室からの供給価格は回収量で決まります。20年6月から20円値上げしましたが、このままでは更に供給価格をあげなければ成らなくなります。回収率が平均値を下回る研究室は特に注意して日常点検を行い、記録から回収率を求めて原因を解明してください。 前回の調査では一部の研究室でガス漏れが見つかっています。ホースニップルをテープを巻かずに装着したためでした。この場合もし日常点検をきちんと行っていれば異常に気付いたはずです。 毎日行うのが基本ですが少なくとも週に一度はガスメータ値を点検し、回収が正常に行われていることを確認してください。ガスメータの指示が異常な場合には交換します。

漏れチェックには簡易リークディテクタを貸し出します。

*更新工事期間をのぞく

調査期間

E-6,SVBL 回収配管

E-1 回収配管

西地区

回収配管

マニホルド

バルーン回収

その他の回収

回収ガス合計

払出液量

回収率

9/7/10 -

9/1/09 *

2911.9

3622.7

6433.7

427.4

13.9

13409.6

2077.9

87.9

9/1/09 -

3/3/09

1525.5

1513.9

2439.4

263.1

89.5

5858.5

8754.0

88.1

3/3/09 -

9/2/08

1671.8

1472.3

3428.7

145.6

38.8

6757.1

10016.1

88.8

9/2/08 -

3/4/08

991.2

2369.0

2856.0

123.6

40.5

6390.3

9703.7

86.7

3/4/08 -

9/4/07

2610.0

1780.7

3774.0

103.9

35.7

8303.3

12770.9

85.5

9/4/07 -

3/6/07

2552.4

2044.4

3154.4

221.3

47.7

8020.2

11910.7

88.6

3/6/07 -

9/5/06

2,634.0

2,474.1

5,299.3

218.1

36.0

10,661.5

15,742.6

89.1

9/5/06 -

3/7/06

2,241.0

2,799.4

3,819.8

185.3

53.5

9,099.0

13,693.1

87.4

3/7/06 -

9/6/05

2,140.7

2,259.3

5,061.8

289.2

14.9

9,765.9

14,866.3

86.4

9/6/05 -

3/1/05

2,238.7

2,388.1

3,148.8

36.9

29.1

7,841.6

11,731.3

88.0

3/1/05 -

9/7/04

2,427.5

1,506.1

5,567.6

119.5

20.3

9,641.0

14,451.8

87.8

9/7/04 -

3/3/04

3,203.9

1,306.4

986.7

* 14.9

38.2

5,547.0

8,200.2

89.0

3/3/04 -

9/3/03

2,951.5

308.7

04年5月

完  成

65.9

149.1

3,250.8

5,008.5

85.4

9/3/03 -

2/28/03

2,768.5

325.9

61.3

128.4

3,284.2

5,041.5

85.7

2/28/03 -

9/4/02

2,983.9

308.7

106.3

33.2

3,432.1

5,677.4

79.5

9/4/02 -

3/1/02

2,633.5

851.9

50.2

69.4

3,605.0

5,648.6

84.0

3/1/02 -

9/28/01

2,350.0

61.4

43.1

188.8

2,643.3

4,743.5

73.3

9/28/01 -

3/2/01

1,954.7

01年11月

完  成

524.5

2187.5

2,697.7

4,882.5

72.7

3/2/01 -

11/30/00

982.6

 

 

228.0

73.4

1,284.0

2,299.5

73.5

ガス量は m3 単位、液量はL単位 換算は1L=0.76 m3 で行っています。

次回調査予定 2011年3月1日(火)

バルーンによる回収

研究室内でのヘリウムガスの回収にはバルーンを使用することができます。バルーンが必要な研究室は低温室に申し込んでください、お貸しいたします。バルーンは1個8万〜12万円する高価なものですから丁寧に取り扱ってください。バルーンに穴が開いた場合市販のゴムのりを使って修理してください。修理用のゴム切れは低温室に用意してあります。

バルーン回収したガスの返却(現在は使用を停止しています使用希望者は事前に低温室に申し込んでください)

低温室外部の機器置場に設置してある回収ポンプを使って行います

低温室壁側に「バルーン回収装置操作盤」が設置してあります、この中に運転記録簿、接続用のゴム管、筆記具、操作スイッチなどが入っています。操作手順などは次のようにします。

  1. 「ヘリウムガス回収ポンプ操作盤」の主電源と停止ランプが点灯していることを確認する
  2. バルーンを配管に取り付ける(低温室のバルーンなら直接接続できます)
    • 必要なら先に述べた接続用のゴム管を使う
  3. 運転記録簿に日付、積算流量計の読み、研究室名、回収者氏名を記入する
  4. 「バルーン回収装置操作盤」の ON のボタンを押す
  5. 「ヘリウムガス回収ポンプ操作盤」の回収ランプ(緑)が点灯し回収が始まる
  6. 回収が終了すると自動的に停止する
    • 停止しない場合は「バルーン回収装置操作盤」の OFF のボタンを押す
  7. 運転記録簿に積算流量計の値と回収した値(差)を記入する
  8. バルーンを取り外し、栓をする。

夜間に使用する場合には電灯を利用してください(上部に押しボタンスイッチがついています)

注意:バルーンを接続しないまま電源を ON にしないでください。